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CX × 未来

第一生命の営業員向け端末、DL PadⅡの現状と将来像。

  • 田中(写真左)

    保険システム第三部 部⻑
    2000年度入社

  • 原口(写真中)

    保険システム第三部 グループ⻑
    2008年度入社

  • 光藤(写真右)

    保険システム第三部 統括マネジャー
    2006年度入社

営業活動継続のためのツールを緊急採用。

田中 従来の生命保険の営業は、営業員とお客さまとの対面で行われてきました。第一生命の営業員が利用する「DL PadⅡシステム」のタブレット端末も、お客さまの面前で営業員が使用することを第一に考えて、2019年8月にリリースされたものです。しかし、2019年以降に起こったコロナ禍によって、対面の接点が非常に取りづらい状況となりました。そうした中で、非接触・非対面で営業活動を継続する施策を緊急的に採用することになりました。

光藤 具体的なツールとしては「Doors(ドアーズ)」というWeb面談ツールと、「DL Phone(ディーエル・フォン)」という営業員の活動を支援するスマートフォンを開発しました。これらのツールがリリースされたのは、2021年の春のことです。

原口 その翌年の2022年9月に、第一生命は創業120周年を迎えました。これを機に保険のコンサルティングをさらに強化する取り組みが進められました。具体的には、生涯設計によってお客さまの家族の中で将来的にどれくらいの費用が必要なのかを算出し、提案書を作成する仕組みを構築しました。すべての営業員がお客さまに提案して申込を受け付けるまでを完結できるよう、DL PadⅡ端末の画面表示や補助機能をより分かりやすい形に改善しました。2022年にリリースしたこの端末が定着してきているとの実感を持っています。

環境やニーズの変化に即した今後のDL PadⅡ端末のあり方。

光藤 今後のDL PadⅡ端末について検討する際は、端末とアプリケーションとに分けて考える必要があります。端末自体は導入から既に5年が経っており、新機能の追加などによって、徐々に動作が重くなっています。現在、端末自体のスペックを上げるプロジェクトが進行中で、2024年中に切り替えを実施する予定です。

田中 生命保険は営業員による販売がメインですが、将来的には、お客さまが能動的に保険を選ぶ仕組みを検討することも必要だと考えています。現在DLTXでは、お客さま向けサービスを拡張する取り組みを推進しています。お客さまからのアプローチ手段も、コールセンターへの架電や営業員への声かけ以外の間口を広げたいと考えています。お客さまとのダイレクトな接点を拡大する取り組みを進めています。また、お客さまとの接点情報は第一生命全体で共有し、チャネルを超えても継続的なコミュニケーションが図れるようシステムで支えていきます。こうした仕組み作りは、DLTXにとっての重要な課題のひとつです。

光藤 2019年に稼働させたDL PadⅡシステムは、足掛け3年かけて開発したのですが、iOSとAndroidのタブレット向けにシステムを提供したものの、Androidタブレットは既に使われなくなっています。そう考えると、今後の開発は基本的に短いスパンで必要な機能を開発しリリースするスタイルに移行する必要があると考えています。

発信型、提案型の業務を遂行するために。

光藤 第一生命の120周年(2022年)までは、DL PadⅡの機能については、各業務担当から強い要望が出ることが多かったのですが、近年は、システム側から「その課題は、こうしたシステムで解決できる」と提案し、共同で設計を進めることが多くなりました。

原口 我々は第一生命の業務を熟知しており、かつ第一生命のシステムについては誰よりも理解していると自負しています。営業員が気づかない点を踏まえた提案ができるのが、DLTXの強みです。実際に、「画面遷移をシンプルにすることで開発コストを下げ、お客さまも便利になる」という提案が、現場にも受け入れられました。ですから、DLTXの若手社員から出た率直な意見も、できる限り活かすよう心がけています。

田中 最近の傾向としては、既に世の中に提供されている製品を第一生命の基幹システムに取り入れたいというニーズが増えています。第一生命には、金融機関としてシステムを構えなければならないという制約があるため、現場が導入したいツールがそのシステムに適合しなかったり、導入後に問題が生じたりするケースも少なくありません。DLTXは、金融機関としてのシステムを構築するノウハウを持ちつつ、第一生命の業務内容も熟知する企業です。ツールのベンダーと第一生命との間を取り持つ、あるいは我々が主体的に外部ツールを取り入れるための開発対応を行うという点でも、第一生命に貢献できていると思っています。